怪事件・ミステリー公開日: 2026-07-01更新日: 2026-07-01

スプリングフィールド・スリー|争った形跡のない家から、なぜ3人は消えたのか──消去された留守電メッセージの謎

1992年、アメリカ・ミズーリ州スプリングフィールドの自宅から、母娘と友人の女性3人が忽然と姿を消した。車や財布はそのまま残され、争った形跡もほとんどなかった。留守番電話に残されていた手がかりは誤って消去され、今も3人の行方は分かっていない。

1992年6月7日アメリカ合衆国・ミズーリ州スプリングフィールド信憑性 B
失踪・神隠しアメリカ
スプリングフィールド・スリー失踪事件

1992年6月7日、アメリカ・ミズーリ州スプリングフィールドの自宅から、シェリル・レヴィット(47歳)と娘のスージー・ストリーター(19歳)、その友人ステイシー・マッコール(18歳)の3人が忽然と姿を消した。車も財布も、飼い犬さえもそのまま残された家には、争った形跡もほとんどなかった。唯一の手がかりとみられた留守番電話のメッセージは誤って消去され、事件から30年以上を経た現在も、3人の行方は分かっていない。

スプリングフィールド・スリーとは

1992年6月6日夜、スージー・ストリーターとステイシー・マッコールは高校の卒業記念パーティーに参加した後、スージーの自宅(母シェリル・レヴィットと同居)へ向かった。これが、3人が生きて目撃された最後の機会となった。

翌6月7日、友人が自宅を訪れたところ、3人の姿はなく、家財道具はほぼそのままの状態で残されていた。車も財布も所持品もすべて残され、飼い犬も無事だった。玄関ポーチの電球が割れていたことを除けば、争った形跡はほとんど見当たらなかった。この不可解な状況から、「スプリングフィールド・スリー」と呼ばれるこの事件は、アメリカでもっとも有名な未解決失踪事件のひとつとなった。

争った形跡がほとんどないまま、3人の女性が自宅から姿を消した

時代背景/舞台

事件が起きた1992年は、DNA鑑定や携帯電話の位置情報といった、現在では捜査の基本となる技術がまだ一般的でなかった時代である。当時の捜査は、目撃証言や物証の分析に大きく依存しており、留守番電話のメッセージという、当時としては貴重な音声記録が誤って消去されてしまったことは、捜査にとって致命的な損失となった。

スプリングフィールドは人口15万人ほどの地方都市であり、これほど大規模な失踪事件は地域社会にとって前例のない出来事だった。事件は地元だけでなく全米で報道され、長年にわたり多数の目撃情報や情報提供が寄せられている。

事件の経緯・時系列

  • 6月6日夜:スージーとステイシーが高校の卒業記念パーティーに参加。その後、スージーの自宅へ向かう。
  • 6月7日早朝:友人が自宅を訪れ、3人が行方不明になっていることに気づく。車・財布・所持品はそのまま残され、争った形跡はポーチの割れた電球以外にほとんどなかった。
  • 捜査開始直後:警察が自宅の留守番電話を確認したところ、不審な内容のメッセージが残されていたが、来訪者が誤ってこれを消去してしまう。
  • 1993年:捜査当局は、3人が連続殺人犯の被害者になった可能性を視野に入れ、ウェブスター郡の土地を捜索。
  • 1996年:地元テレビ局の記者が、事件当時、レヴィット宅の向かいに住んでいた、別件の有罪判決を受けていた人物に、刑務所内でインタビューを実施。
  • 1997年:この人物が「女性たちは殺害されており、遺体は決して発見されないだろう」という趣旨の発言をしたと報じられるが、捜査関係者はこの発言の信頼性に懐疑的な見方を示している。
  • 2002年:不審な緑色のバンに関する目撃情報をめぐり、建設会社の関係者数名が捜査対象となる。
  • 2007年:地元の作家が、病院の駐車場の地下に遺体が埋まっている可能性を指摘し、地中レーダーによる調査が行われるが、警察はこの説の信頼性を否定。
  • 2019年:遺族の一人が、事件とは無関係の別の事案で逮捕されたことをきっかけに再聴取を受けるが、最終的に容疑者から除外される。
  • 現在:スプリングフィールド警察は今も情報提供を呼びかけており、事件は公式に未解決のままである。
1992年の失踪から、1993年・2002年・2007年の捜査、2019年の再聴取まで

通常の説明・捜査で浮かんだ手がかり

超常的な要素のない事件であり、捜査当局は一貫して「顔見知りによる犯行」「近隣住民による犯行」「行きずりの犯行」という現実的な可能性を軸に捜査を進めてきた。争った形跡がほとんどないことから、3人が顔見知りの人物、あるいは強い威圧を伴う状況によって、自宅から連れ去られた可能性が高いと考えられている。

事件直後に消去された留守番電話のメッセージは、捜査当局が「事件解明の手がかりになった可能性がある」と考える、もっとも重要な物証だったとされる。この消失は、単純な人為的ミスによるものであり、事件そのものの不可解さとは別に、捜査の初動対応における現実的な失敗として記録されている。

消去された留守番電話のメッセージが、もっとも重要な手がかりだったとされる

諸説と評価

  • 近隣住民による犯行説:事件当時、向かいに住んでいた、別件で有罪判決を受けていた人物が捜査対象となり、後年「女性たちは殺害された」という趣旨の発言をしたと報じられたが、捜査関係者はこの発言の信頼性に懐疑的である(評価:△=発言の信頼性に疑問が残る)
  • 元交際相手や家族による関与説:遺族の一人を含む身近な人物も捜査対象となったが、いずれも最終的に容疑者から除外されている(評価:×=捜査の結果、除外された)
  • 連続殺人犯による犯行説:1993年の捜索はこの可能性を念頭に置いたものだったが、決定的な証拠は得られなかった(評価:△=可能性のひとつとして検討されたが確証はない)
  • 特定の場所に遺体が埋められているという説:2007年の地中レーダー調査などが行われたが、警察はいずれも信頼性が低いと判断している(評価:×=警察により否定的に評価されている)
複数の説が浮かんでは検証されてきたが、いずれも決定打には至っていない

残る謎

もっとも根本的な謎は、争った形跡がほとんどない家から、なぜ3人もの女性が同時に、しかも所持品を何ひとつ持たずに姿を消せたのかという点である。3人を同時に、抵抗されることなく連れ去るには、相応の計画性や、被害者たちが強く抵抗できない状況(顔見知りによる油断、複数犯による制圧など)が必要だったと考えられるが、具体的な経緯は分かっていない。誤って消去された留守番電話のメッセージが、実際にどのような内容だったのかも、永久に確認する手段が失われている。

オカルト・陰謀論をどう見るか

この事件をめぐっては、特定の場所(病院の駐車場など)に遺体が埋められているとする説や、超常的な要素を交えた憶測がインターネット上で語られることがある。しかし、警察は複数回にわたりこうした説を検証し、いずれも信頼性が低いと判断している。

Occultpediaとしては、遺族が今なお情報提供を呼びかけ続けているという事実を踏まえ、根拠のない憶測を娯楽的に消費することには慎重でありたい。この事件が問いかけているのは、超常的な謎ではなく、なぜ通常の生活の場から人が跡形もなく消えることがありうるのかという、地道な捜査が今も答えを出せずにいる現実の問題である。

正体とは|信憑性Bの理由

  1. 想定される通常の説明:顔見知りによる犯行、近隣住民による犯行、行きずりの連続殺人犯による犯行など、複数の現実的な説明が検討されてきた。
  2. 説明力の評価:争った形跡がほとんどないことは、顔見知りによる犯行、あるいは複数犯による制圧を示唆する状況証拠となっているが、具体的な実行者の特定には至っていない。
  3. 盛られた要素と事実の切り分け:近隣住民だった人物の「女性たちは殺害された」という発言は、捜査関係者自身がその信頼性に疑問を呈しており、事実として確定した情報とは区別する必要がある。特定の場所に遺体が埋められているとする説も、警察による検証で信頼性が否定されている。
  4. 独立記録の質:スプリングフィールド警察・FBI・ミズーリ州ハイウェイパトロールによる公式捜査記録、複数の地元テレビ局・全国紙による長年の追跡報道など、複数の独立した情報源が経緯について報告しているが、犯人像の特定という点では一致していない。
  5. ランク確定:所持品がそのまま残され、争った形跡もほとんどないという物証がありながら、決定的な手がかりとなりえた留守番電話のメッセージは失われている。超常的な謎ではないが、「誰が、どのように」を確定する決め手を欠くフーダニット型の未解決事件であるため、信憑性Bと判定する。

まとめ

スプリングフィールド・スリーは、1992年にアメリカ・ミズーリ州で発生した、女性3人の同時失踪事件である。争った形跡がほとんど残されていない現場の状況は、顔見知りによる犯行という見方を支持する一方、決定的な手がかりとなりえた留守番電話のメッセージは誤って消去され、失われている。30年以上にわたる捜査にもかかわらず、3人の行方は今も分かっていない。

関連動画

よくある質問

Q. スプリングフィールド・スリーの3人は結局見つかったの?

見つかっていない。1992年の失踪以降、3人の行方も遺体も発見されておらず、事件は公式に未解決のままである。

Q. 争った形跡が本当になかったの?

玄関ポーチの電球が割れていたこと以外、目立った争いの形跡はほとんど確認されていない。車や財布などの所持品もそのまま残されていた。

Q. 留守番電話のメッセージには何が録音されていたの?

分かっていない。不審な内容だったと伝えられているが、来訪者が内容を確認した後に誤って消去してしまい、警察が改めて確認する前に失われてしまった。

Q. なぜ信憑性がBなのか?

所持品がそのまま残され争った形跡もほとんどないという物証がある一方、決定的な手がかりとなりえた留守番電話のメッセージが失われており、「誰が、どのように」を確定する決め手を欠く、決着のついていないフーダニット型の事件であるため。